A太は、朝に弱い。これも仕事に関わる彼の弱さだった。異動仕立ての頃は、しょっちゅう遅刻し、あわや「もうクビ」という所まで行きかけた。今朝も3時に出発する予定が、もう5時半過ぎだ。

サンデーモーニング

A太の前日談。彼は悩んでいた。先輩の肇さんにも相談していた。「このままでは、半年から1年以内に入院だよ」とも言われていた。でもA太は、逆にその方がふんぎりがついて、いっそのこと良いかな、とも思っていた。

私小説の効用
A太は、会社を辞めた。向いてなかった。気力も続かなかった。何より絵に時間割きたかった。いまだ独身で普通の人間らしい生活も送れていないのだが。カフカも読む日々だ。
B太は、只、無表情に淡々と仕事をこなす。要領は、よくないが。休みの今日も、店に朝から行き、昼14時くらいまでは働いていた。虚ろになっていき、あとは本屋めぐり、図書館めぐり、焼肉屋めぐり、喫茶店めぐり、ホームセンターめぐりに余年がなかった。急な雨にやられて、びっしょり濡れて帰宅と相なった。そして朝、3時には、また家を出る。自転車で。

同じようなものばかりえらぶ
心身絶不調

早稲田のボブ ディラン